施設入所の経緯や在籍理由も異なる児童達が、施設内という限られた空間の中で、集団生活をし、一人一人の抱える問題は計り知れない。コロナ禍を経て、外出・外泊経験も乏しい児童が大半を占めている現状がある。子ども達の抱える問題や思いを、自然や初めての経験に触れることで、少しでも発散できる場を設けたい。この活動を通じて、生活力向上とともに、互いに助け合うことを学び、協調性や満足感、責任感、感受性の向上を図りたい。と考え、今回の事業を計画した。コロナ禍以前には園全体での外出・外泊行事を行ったことはあるが、コロナ禍以前に入所し外出・外泊行事に参加していた児童は、現在の入所児童の半数以下となっており、「初めてのお泊リ行事」として、楽しみも不安も抱えつつの出発となったように思う。
普段は、小規模ホームで4つのホームに分かれて生活をする児童達が、一斉に集まリ、1台のバスで目的地へ向かうことが出来る機会となったことで、他ホーム児との交流も叶い、喜びの声・笑顔が多く見られた。
また、野外炊事・カプラ体験・カヌ一体験といった、一人では行えず、協同が求められる体験を行うこともでき、初めての体験となる児童も多くいる中でも、「楽しい」「面白い」「できて良かった」と言った声が多く聞こえ、他者と関わリながら、何かに取リ組むことの楽しさ・面白さに触れる機会となったと考える。
宿泊を伴うことで、入浴や就寝、食事も普段とは異なるスタイルヘの順応が求められるが、マナーやお約束を意識しながら、取リ組み、求められる礼儀作法を学ぶ機会ともなったように感じる。青少年団体が利用する施設であることもあり、他団体とすれ違う際には、職員のみならず児童から、他団体の方々へ向けて挨拶を行う姿も多く見られ、日々施設内で伝えている「挨拶の大切さ」を実感する場ともなっていた。利用団体が一堂に会して行うつどいの担当として係の仕事を任された児童らは、不安や緊張を見せる姿もあったが、貢任感をもって最後までしつかリと任務を果たし、頑張ることが出来ていた。
その為、計画時の”生活力向上とともに、互いに助け合うことを学び、協調性や満足感、責任感、感受性の向上を図りたい”という思いは、達成出来ていたように感じている。普段の生活では見ることの出来ない立派な姿・満足気な姿・誇らし気な姿・頑張る姿をみることが出来る機会となったことに感謝しています。
児童の為に助成を頂けたこと誠に感謝しています。ありがとうございます。
施設名:児童養護施設 みのり園(岡山県)