Activities
活動報告

2025.09.13

卒園旅行 社会福祉法人若松園

コロナ禍でホームのみんなで外泊を伴う外出の機会を設けることが難しかったのですが、今年度末で卒園していく児童もホーム内にいることもあり、児童の希望でもある「みんなで何かを一緒にする体験」ができたらと思い、今回助成いただいた卒園旅行を計画いたしました。

施設内での限られた生活の中で、公共交通機関を使用しての外出やホテルでの宿泊などは学校行事など限られた機会しかないため、今回の外出では公共の場でのマナーや公共交通機関を利用する社会勉強としての意味もありました。

ホーム全員での外出が今までなかったこともあり、行く前は「みんなで一緒に行動すること」に不安を感じる児童もいましたが、事前に説明し話し合ってグループを作ったり、新幹線の席を決めたりしていく中で、「楽しもう」という気持ちが大きくなっていったように思います。

また、自分たちがUSJで乗りたいアトラクション、身長制限がある児童が乗れるアトラクション、難波での食べ歩きで行ってみたいお店、自分たちが泊まるホテルや大阪の観光名所などをインターネットを使って事前に調べていく中で、興味も深まっていきました。事前に自分たちで調べることで、調べた内容を見ながら「この場所ではどういったルール・マナーを守らないといけないのか」ということを話し合うきっかけにもなったと思います。

旅行中では、バスの乗り方や駅の自動改札機の通り方など、公共交通機関の利用の仕方について学ぶ機会にもなりました。事前の説明もあってか、公共交通機関の中ではマナーを守って過ごせていたと思います。最初は緊張していた様子もありましたが、慣れてからは会話も楽しんでいました。乗り換えがたくさんありましたが、高学年の児童たちは自分が降りる駅を意識して行動することができていました。失敗する場面もありましたが、バス・新幹線・地下鉄と様々な乗り物で自分で改札を通ったり、お金を払ったりする経験は、失敗も含めてとても貴重だったと思います。

生活の中で高年齢児と低年齢児が関わることはあまりありませんでしたが、グループ行動では一緒に楽しむことを目的としていました。普段は待つことが難しい子がUSJのアトラクションで頑張って長時間待っていたり、普段は大人びて見える子の笑顔や緊張している様子が見えたりと、お互いの新しい一面を見ることで職員も子どももよりお互いのことを知ることができました。

また、「一緒に楽しむ」という目的も、卒園生の児童の思い出づくりをしたいという気持ちで計画した事業になりますが、みんなで一緒に旅行ができて、どの子もとてもいい表情で過ごすことができました。子どもも職員もともに良い時間が持てたのも、この事業に助成いただいた一華五葉財団の皆様のご協力によるものだと思っております。本当にありがとうございました。